油分け算について

 各地の神社の境内に算数の問題を絵馬として掲げてある。この辺りでは、郡上八幡の八幡神社の境内に算数の問題が掲げてある。
 本時は、江戸時代の算数をまとめた本=塵劫記(じんこうき)に載っている油分け算を考えた。
            八幡神社に掲げられているの算術の絵馬

○塵劫記の由来

 仏教のことばの「塵点劫 (じんてんごう)」から由来し、「塵点劫」を略して「塵劫」と呼び、「塵劫記」となった。この「塵点劫」とは、とてつもなく長い時間のたとえである。塵点とは、この世の世界を全部をすりつぶし最小の塵にして、東に向かってこの世の広さと同じ距離だけ進んだときに、その塵の一粒を落とし、またこの世と同じ広さの距離を進んで一粒落とし、何度も繰り返し、とうとう塵をすべて落とし尽くしたとしたら、初の出発点からの距離がどれ程あるか想像出来るだろうか?
 しかも、これだけではない。その長さのすべての世界をまた同じようにすりつぶし、塵にしたときの塵の数を塵点といって、これがさらに続く。この塵の数に劫(こう)という時間を掛け合わせたのが五百塵点劫という時間の長さになっていて、たとえ一劫が一年だとしてもその時間の長さは、私たちの計算能力を超えているが、この一劫という時間がこれまた気の遠くなるような長さである。縦も横も高さも四里(約16km)の岩山があったとして、その上で、三千年に一度天女が一晩中踊りあかすとする。その時に天女の衣が岩に触れ、やがてその岩がすり減って無くなってしまった時間を一劫という。 そして、先に説明した五百塵点という無限の数に気の遠くなるような時間をかけ合わせたものを五百塵点劫と呼ぶ。
 だから、塵劫記という名前は、塵劫たっても変わらない真理の書=ほんとうの本という意味である。

※塵劫記の実物の画像は、以下のURLで手に入る。
  (★↓URLを更新しました↓★)
  http://tosho.meijo-u.ac.jp/sabisu/collections/jinkoki/jk_page.html

※塵点劫・塵劫記の由来について

  http://hp.vector.co.jp/authors/VA024856/jinkouki.htm
  http://www.ho-wa.co.jp/dennou/monzen-city/seppou/seppou_7.htm
  http://www.ho-wa.co.jp/hokke_c/hokke_c2.html

※油分け算について

  http://www.torito.co.jp/puzzles/107.html

※個に応じた指導に関する指導資料−発展的な学習や補充的な学習の推進−(文部科学省)

  http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/14/08/020818.htm